轉法輪寺什物 釋迦大涅槃図 

宝暦十四年(1764) 作者不明

當山の涅槃図は縦五メートル三十センチ、横三メートル九十センチもの大涅槃図で、本山のような大寺院を除けば一般の寺院としてこれだけ大きな涅槃図を所蔵しているのは極希なことであります。

お釈迦様のお母様

生みの親である摩耶夫人はお釈迦様の御入滅のしらせを聞きつけ、万能阿伽陀薬を持って、早雲に乗り駆けつけられます。

お釈迦様のお弟子たち

お釈迦様の身の回りのお世話をされていた阿難尊者は泣き崩れられ、阿泥樓駄尊者が介抱される姿をはじめ、仏伝に登場するお釈迦様のお弟子たちが数十人登場しています。

諸菩薩と様々な神々

地蔵菩薩や観音菩薩といった大菩薩、阿修羅や迦楼羅といった八部衆などの神々、さまざまな方々がお釈迦様の涅槃を嘆かれている樣子が描かれて記されています。

さまざまな生き物たち

おそらくこの絵図が描かれた当時に見られたほどんどの動物、昆虫がとてもリアルに描かれ、さらに麒麟や龍、玄武といった架空の動物も登場しています。中でも注目すべきは、江戸時代の絵師たちはおそらく実物を見ていないはずの、白象やひょう、ラクダなどの猛獣類も描かれています。なお、當山の涅槃図にもちゃんと猫も描かれています